2009.5
設立の趣旨
生活保護受給者がお亡くなりになった場合、葬祭扶助費として東京都の場合は199,000円が支給されます。しかしながら、実際には、お亡くなりになった方を柩に納棺し、火葬場まで搬送し、火葬するだけの非常に質素で機械的な作業と言わざるを得ません。従って、生花、遺影写真、御位牌、戒名。読経なども一切ありません。
遺骨は骨壺に入り、木の箱の入れられ、白い覆いに入れられて渡されるだけです。これは、亡くなった方を弔うという行為以前の問題であると私たちは考えます。長い間、人生を精一杯生きてきた人間の最期がこのような有様では、あまりにも虚しいのではないか?せめて、人間として尊厳のある葬送支援活動が出来ないだろうか?限られた葬祭扶助費の中でも、私たちは心を込めてご葬儀を行い、故人を弔いたい。
その為に私たちは「葬送支援ネットワーク」を葬祭業者や僧侶などと連携をしながら立ち上げることにしました。その対象は、生活保護受給者だけでなく、生活保護という最後のセーフティネットからも漏れてしまった方も含みます。
朝日新聞の朝刊で取りあげられました
朝日新聞の夕刊で取りあげられました
2009.05
最近、よく感じることですが、人間は助け合い、支え合って生きて行かなければ、本当の悲しみや苦しみなどはわからないものだと思います。
人が物事を真剣に取り組む時は、昔から自分自身に災いが降り掛かる時だけでした。
科学が進歩し、文化が発展して、忙しい日常の中で、人としての大切な事を忘れていると思います。もちろん僧侶という立場では御座いますが、恥ずかしながら私も同様です。
この焼け果てた場所で読経をあげさせていただくと、亡くなられた方々の熱さや苦痛が聞こえてくるような気がいたしました。これからは事前にこういう施設に廻り、出来るだけ多く、年配の方々とコミュニケーションを取らせていただき、僧侶としてでは無くひとりの人間として、「死の声」でなく「生の声」を大切にしていきたいと思います。